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しかしそれは、あっちが勝手に来るからであって、自分からヨシオカのもとへ行ったことは一度もない。 好んで連絡を取ったことも、ない。 オオミヤ王子は真剣な面持ちで口を開いた。 「…大臣…実は私は、ヨシオカのこと…」 『好きではない』と続けようとした瞬間、 「恐れながら!その先は…っ」 と大臣が突然およよと泣き崩れた。 大臣はわかっていた。 オオミヤ王子がヨシオカ王子を好きではないこと。 ヨシオカ王子が、極端にデリカシーに欠けること。 さらに異常に、面倒事を増やすこと…。 そういう人間を、このオオミヤ王子が選ぶわけがないということも、大臣はわかっていた。 .
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