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「今日も疲れたぜ……。じゃあな、春人」
街灯が照らす夜道で交わされる別れの挨拶。
「ああ、また拾い食いすんじゃねえぞ?」
嘲笑とも思える返事をして背中を向ける男。
その男は俺、冬木 春人(フユキ ハルト)。
数ヶ月前、高1になったばかりだ。
最初に俺の名前に関して言っておくが、『冬なのか春なのかどっちなんだ』とか突っ込むなよ。
そういうことは親に言ってくれ。
「おい、でかい声で言うなよ!」
離れたところから、拾い食いと言ったことに抗議するバカ。
白都 光佑(シラト コウスケ)は名前と違って白くもないし(心が)、光ってもいない(存在が)。
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