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俺がこの家に養子としてやって来たのは、まだ小学3年生の時だった。
本当の両親は生きているのか死んでいるのか、それすらもわからない。
ただ覚えているのは、一緒に住んでいたいつもにこにこしているばあちゃんと、無口だけど優しかったじいちゃんのことだけ。
じいちゃんが交通事故に巻き込まれて、ばあちゃんは病気になって。
気が付いたらひとりぼっちになっていた俺を引き取ってくれたのが今の両親だ。
つまり、今目の前に居る妹とは血が繋がっていないわけで。
『家族が好きか』という質問が答えづらい理由はそういうわけで。
富良野は寒いわけで。
今のこの家族は大好きだ。
これまで育ててくれた恩もあるし。
でも、じいちゃんもばあちゃんも好きだ。
理解されないかもしれないけど、俺を産んだ両親だって好きだ。
顔も見たことないけど、今こうしていられるのは、やっぱり産んでくれた人がいるからなんだ。
いや、悩むことなんかない。
俺は質問から少し間を開けて、自信たっぷりに答えた。
「もちろん、大好きだ」
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