悪いことだとわかっていても、やめられないことってあるよね

5/12

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
用を済ませてトイレから出るとまたカナに遭遇した。 きっと俺が邪魔したからすっきりしてないんだろうなぁとか思いつつ部屋に戻ろうとした。 「あのー…」 そしたら何故か後ろについてきた! 「なに?」 「座敷わらしですか?」 叩かれた。 痛い。 その後も黙って俺の後ろを歩くカナさん。 階段上って俺の部屋の前につく。 まだいる。 「忘れてるみたいだけど、ここ俺の部屋。あっちお前の部屋」 カナの部屋を指差しながらそう言うとカナが俺の手を掴んだ。 「お?久しぶりにお兄様の温もりが味わいたいと言うのかな?」 言い切る前に手首を捻られた。 なんかすごい音が聞こえた気がするけどきっと気のせい。 でもすごく痛い。 「ごめんなさい!」 泣きそうになりながら謝る。 俺が何をしたというのか。 「へぇ、ここが私の部屋なんだ?」 気が付いたら俺は自分の部屋を指差していた。 もちろん違うのでノーと言ってやろう。 「だが断る!俺がすいたいいたいいたい!イエスイエース!」 手首が360度回転しそうな程捻りあげられたので無理だった。 「そう」 ようやく俺の手を解放してくれた妹はどこか満足げだった。 「兄として…兄としての威厳が…」 orz ↑こんな風に落ち込んでたらまたカナが酷いことを言う。 「そんなのはじめから無いでしょ」 目から汗が出てきた。 フラフラとカナの部屋に行こうとしたらカナに止められる。 「どこ行くの?」 「カナの…いえ、俺の部屋ですはい」 再び歩き出そうとしたら首を掴まれた。 俺は猫じゃない。 「あっちも私の部屋。こっちも私の部屋」 もうダメだ。 いいもんいいもん! 俺にはポチがいるもんね! 「でも可哀想だからこの部屋を貸してあげる」 そう言って指差すのは俺の部屋。 もうわけわかんね。 眠たいし寒いし。 部屋に入るとカナもついてくる。 布団冷たいだろうなぁ。 そして目に入るのは凶悪な妹。 冷たい布団で寝るくらいだったら多少の犠牲を払ってでも暖かいほうがいい。 えぇい!ままよ! 俺は妹をベッドの上に押し倒して一緒に毛布にくるまった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加