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妹と呼ばれる立場なのだからカナも当然女の子。
柔らかいなぁと思っていると突然暴れだすカナ。
「なにすんだ馬鹿!変態!離せ!」
「ふははは!離せと言われて離す兄がどこに居る!馬鹿はお前なんだよ!」
と、言ってやりたいところなんだけど、暴れるカナの手が俺の顎やら鳩尾やらにクリーンヒットして悶えるしかない。
俺の腕の中から逃げ出し、ベッドの上に立ち上がるカナ。
少しばかり息が乱れており、冷たい目で俺を見下ろしている。
その顔が窓から入る月明かりに照らされて、なんかすごい怖い。
妖しい感じがして一瞬ドキっとしたなんてことは絶対にないはず。
「なんのつもり?」
荒れた呼吸を整えながら、恐怖の塊が言う。
「や、寒いから一緒に寝ようカナーなんて思ったりして。決して、おっぱい触ってやろうフヒヒなんてことは考えてないです、ほんと」
顔を踏まれた。
嬉しくなんか…ないもんね!
すると、カナが座り込んで『お前も起きて座れ』という感じで自分の目の前を叩く。
その表情は怒っているわけでもなく、酷く真剣だった。
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