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体を起こし、自分のベッドの上で正座する。
カナは俺の顔をじっと見つめたまま何も言わない。
なんだか決まりが悪い。
「えっと、すいませんでした」
とりあえず謝る。
さすがに、こんな空気の中でふざけることは出来ませんて。
謝ったのはいいが、カナは何も言わない。
沈黙が部屋を支配して、月明かりがカナをボンヤリと照らす。
しばらくそのままでいると、突然カナが口を開いたら。
「兄貴はさ、家族が好き?」
それはとても簡単な質問で、しかし俺の胸に突き刺さった。
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