#01 魔術師…カーディナル…

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ガシャンッ!───── 鋭い音をたてて、食器が床に落ちた。 振り返らなくても、店内の客の視線が一斉に自分に集まったのがわかる。 「───も、申し訳ありません!」 静まり返っていた店内がまたガヤガヤと騒がしくなり、はぁっ、と息を吐き出す。 ────落ち着け、自分 「大丈夫か?」 散らばった食器を拾っていると、頭上から声がした。 「すみません、カルラさん」 顔を上げると、腰まで届くアクアブルーの髪の女性が立っていた。 海のような真っ青な瞳が観察するようにじっと俺に向けられる。 カルラさんは、ホイっ、と落とした皿を俺に手渡し、ポンポンと頭を撫でた。 「エルク、無理するなよ?」 「……ありがとう、ございます」 あたたかった………… さっきまで苦しかったものが、スッと軽くなった気がした。
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