たのもう! 

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「ここで、働くかい?」 「え?」 「いや、隊士としてではなく、ほら!病人が出たりしたら頼りになるだろう。他にも仕事はたくさんあるだろうしな。なあ、総司」 思いがけない提案に瞬きしてると、話を振られた沖田総司が 「え?いいんですか?土方さん」 副長に話を振る。 「やれやれ、また近藤さんが捨て犬拾おうとしてるぞ」 …………犬? 「行くところがないというし、娘一人不憫だろう?」 土方副長は、涼しい目でこちらをみつめて 「面倒くせぇことになるぜ?近藤さん」 「何も面倒なんてないだろう?」 「こいつは犬猫とは違うんだ。何より娘だ。娘が隊内でうろちょろしてみろ。いらぬ噂がたって、近藤さんの体面にも悪かろう」 近藤局長はうーんと唸ったまま黙ってしまった。 沖田総司は黙って二人のやり取りを聞いている。 「あの、もういいです。私出て行きますから」 ぽんと近藤局長が手を打った。 「男の格好でいたら、娘だって分からんだろう?」 「………分かるだろう」 土方副長の呆れた顔を見て、ぷっと沖田総司が吹きだす。 「俺には分からなかったぞ!福田君には救護班をやってもらえば、医者を呼ぶ金もかからず、隊士も元気になって!一石二鳥だろ!決まりだ!決まり!」 「何があっても、知らねえぞ」 なんだか、歓迎はされてないみたいだし、このいたたまれない雰囲気に耐えられないよ…… 「あのぉ……もういいですから………」 「よし!歳の許可も出たことだし、朝餉の支度でも手伝ってきなさい」 えーー?! 許可でたの?本当に?! 「あーあ、また、拾ってきちゃったなぁ」 沖田総司が、んーっと伸びをした。 私はこうして、浪士組にお世話になることになりました。
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