たのもう! 

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それから熱の下がった沖田総司さんと二人、部屋で気まずい食事。 「熱大丈夫ですか?」 「ん」 話し掛けても返事しか返ってこない。 何か私嫌われてるのかな? 女でこんなとこ入って来て変な奴って思われた? 誰か来ないかな………他の人たちはどこで朝ごはん食べてるんだろ? 「………何か言いたいことでもあるのか?」 「へ?」 ああ、沖田総司の顔ばっかり見てたからか。 首を振って、急いでご飯を口に詰め込んだ。 終わって後片付け。 八木さんの母家でさっきの女の人……かよさんとお椀を洗う。 「何でまた、浪士組に入らはったん?」 「……えっと」 返事に困っていると 「こんなきれいな手で刀使えますの?言うたら悪いですけど……入ってもお給金も出やしまへんえ」 「はぁ………」 「まあ、まだ多摩のお人はマシですけど、水戸の局長さんはお酒が入ると、大変みたいで……」 かよさんが急に口をつぐんだ。 「福田君……ちょっと」 入口で沖田総司が手招きしていた。
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