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襖を開けると芹沢局長と近藤局長が談笑していた。
「おお!福田君!羽織を作り直そうと思ってな」
芹沢局長に手招きされて畳に広げてある紙を覗きこむ。
羽織のデザインは基本的に変わっていない気がしたけど、隣に書かれた誠の旗と提灯のデザインは
「これかっこいいですね!」
「そうかそうか!では決まりと」
芹沢局長は紙をくるくる巻いて立ち上がった。
「え?皆さんの意見は?」
「聞いたよ。それから君に、仕事を一つ頼みたい」
芹沢局長はこほんと咳払いをして
「将軍の下坂の折に、浪士組も任を賜ったが……如何せん、人数が足らん。そこで、隊士募集をする」
「すごいじゃないですか!」
近藤局長を見るとこくり頷いた。
「そしたら!お給料もたくさん貰えますよね!芹沢局長もお金の心配しなくて済みますね!」
無理矢理借りたりしなくてすむよね?
「おお、そうだ!わしの苦労を知っているのは福田君だけだな。そこで、人当たりの良い君に道場を回って、隊士を集めてほしい!」
「ええ?!」
叫んだのは私ではなく近藤局長だ。
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