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「こんないかつい奴らより、福田君や、井上君、救護班の……なんといったか?あいつや……沖田君ならまだいいな……の方が、目立つし、人当たりがいいだろ?」
そこへ拾い集めた紙の束を持って土方副長が入ってきた。
「責任者は土方君にやってもらおう。いい人材を期待している」
芹沢局長は上機嫌で母屋の方に行ってしまった。
「……何の話だ?」
近藤局長は頭を抱えて
「だから福田君は目立っては困るというのに……」
その隣に土方副長は腰を下ろした。
「だから、何の話だ?」
「土方さんがいい男だってことだよ」
山南さんはほっこり笑って
「でも、意外だな!福田君が、芹沢さんと仲が好いなんてね。お金の心配しなくてすみますね……か」
「だって、公事宿で、浪士組の局長は強請りたかりで、無理矢理お金を借りるって聞いて……浪士組のためにそんなことまでして、大変だなって……お給料が出たら、少しずつでも返せるじゃないですか」
山南さんはにこにこ頷いて話を聞いて
「そうだね。では、皆で協力して、隊士を増やしましょう」
「はい!頑張って勧誘してきます!隊士募集のちらし作っていいですか?」
「いいよ。紙は土方さんにもらいなさい」
「はい!土方副長!紙下さい!」
土方副長は眉を寄せた。
「だから、いったい何の話だ?」
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