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「ふざけてないで早よ行け!お前救護班とか言ってるが、近藤のただの居候やろ?芹沢局長にどうやって取り入ったか知らんが、刀も持てんような隊士など、何の役にもたたん只の穀潰しや」
――穀潰し……
ただ飯食いってことだよね……
私――他の隊士にそんな風に思われてたの?
胸を押されて、戸口へ体が傾いた。
背中が誰かにぶつかった。
「……山南副長がちらしを作るから、皆を集めるようにと…………」
後ろで馬越さんの声がした。
隊士は手のひらを不思議そうに眺めて、そして
「おい。そいつ捕まえろ……」
馬越さんは耳元でめんどくさそうに呟いた。
「……何かやらかしましたか?」
「……ツケがわからなくて」
隊士にいきなり胸をわし掴みされた。
「ひっ!何っ……」
口から出かかった悲鳴をこらえた。
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