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拓もサクラもJOLJUの報告に沈黙した。
「そんな警告ランプなんか点いていたかな?」
「あたしら<天使>だからつかないんじゃね?」
『ちなみに履歴調べたら、このシステム使われたのは今回が二度目だJO』
「二度目? …… 一度目はもしかして地下での<死神>か?」
『だJO。ここが重要なんだけど、この爆弾、各<死神>は全員対象なんだJO。まぁノーダメージの<死神>は対象外みたい。あ、サタンは対象外だJO』
「あいつらの扱いはその程度なのか?」
『そうなんだJO』
「…………………………」
これも重要な情報だ。
運営側にとって<死神>も文字通りただのゲームの駒ということになる。<死神>たちは当然そのリスクを知っているはずだ。<死神>たちも拓たちと変わらないリスクを背負っている事になり、当然かなりの高額の報酬が約束されているのだろう。
もしくは、<死神>にならざるを得ない状況の人間が雇われている……ということだ。
そんな人間はそう簡単にはいない。
「ユージにその話はしたのか?」
『まだだJO』
「じゃあその話を至急してくれ。この事件の運営に?がる重要な手掛りだ」
『がってんだJO』
「じゃあ今度はこっちから連絡するから。緊急の時はいいけどもう少しタイミング見計らってよね」
そういって電話を切ろうとしたサクラをJOLJUが遮る。
「まだなんかあるのかいカイ?」
『爆弾の場所だけど、いうたほうがいいんだろうか?』
「言え!! メールで画像データーで送れぃ」
『いや~ 画像で送ってもいいけど……あんま意味ないJO』
「意味がない?」拓とサクラは顔を見合わせる。
『だって、島のほとんど全部に爆弾あるんだJO。あ、場所によって爆弾の大きさは違うみたいで屋内は基本その部屋一つ吹っ飛ぶくらい。最大がさっきの爆発規模みたいだJO』
「……………………」
ある程度予期していた事だ。それでも愉快な話ではない。
「分かった分かった、気をつけるから。そんで終わり? もう切らないとヤバいんだけどさ」
『あ、も一個あるんだJO』
「勿体ぶらずにさっさと言え!」
『さっきの爆発だけどね。一人生存者ランプがついてるんだJO』
「!?」
『多分拓のことじゃないと思うんだけどどうだろ?』
拓とサクラは再び顔を見合わせた。正にその時だ。後ろの海で何かが水面で暴れる水音が聞こえ二人は振り返った。
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