~情~

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玄関の扉が閉まった所で私は疑問を口にした。 『ねぇ くるみはいないの?』 ・・・・・・・ ・・・・ 廊下を歩きながら振り向き・・ うつむき唇をかみ締める隆君。 ・・・ ・ 『・・・・・・・・・何かあった?』 私は、くるみがいないのにくるみの家に上がるわけにはいかない。 そう思って靴を履いたまま玄関から声をかけた。 ・・・・・・・・・ ・・ 『ケ・・・・ケンカかな・・・』 喧嘩? 喧嘩なんていっつもしてるでしょ? でも今までのとは何かが違う。 『ケンカしたなら、仲直りしないとダメじゃん。くるみドコにいったの?・・・』 ・・・・・・・・・・ ・・・・ 『ゴメン・・・・ここじゃちょっと・・・・・・』 歯切れの悪い隆君にイラっときた。 『ココじゃ何?!』 ・・・・ 『イヤ・・・外に聞こえるから・・・・・・・』 『聞かれちゃいけない話なわけ?』 かなりの強めの口調だった。 『ちょ・・りかこさん声落として。コーヒーだすから・・・話聞いてよ』 くるみが可愛そうすぎる。 こんな世間体ばかり気にするようなやつと結婚してるなんて・・ 男らしさもない!! と怒りがこみ上げた。 私はくるみの味方だからね!! そう心で告げた。 『お邪魔します』 と来客用のスリッパを履きリビングに向かった。 でもドアを空けると驚愕。 いつもならリビングには、りずとゆずのオモチャだったり写真だったり・・・ 何もなく殺風景なリビングになっていた。 『え・・・・どういう事??』 とリビングに入った所で立ち尽くしてた。 キッチンに立つ隆君は無言でコーヒーを入れていた。 何があったというより、そこにはくるみと子供達の存在が無いものになっていた。
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