第1話

2/5
前へ
/5ページ
次へ
Pipipipipi...... 「んー」 もぉ朝か。 カーテンの隙間から光が漏れるのを確認し、目覚ましを止める。 朝は強い方なので遅刻なんて、したことはない。 ベットから起き上がり体を伸ばす。 「今日から学校だっけ」 部屋のカレンダーを見て始業式と書いているのを確認する。 今日から学年が一つ上がり高校二年生になる。 それからはいつも通りの流れで、母が用意した朝ごはんを食べて、歯を磨き着替えを済ませた。 時計は8時を指している。 「そろそろ出ようかな」 玄関先の鏡で、自分の姿を確認する。 規定通りの制服のスカート丈に今まで染めたことのないサラサラの胸の下まである黒髪にメガネ。 いつも通りの学校スタイルの私。 偽りの私。渡瀬 凌(わたせ りょう)の完成。 そして今日も始まる。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加