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『心無いこと』
「GPSがもう1人のカホに反応したのだとしたら、今学校にいることになるよね?」
「えっあっ、そ、そうだね…」
「じゃあ気を付けて」
「?」
「もう1人の自分に会ったら死んじゃうから」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!
しーちゃん助けてぇぇぇぇ!!」
私は、カホをからかうつもりで言ったのだが、まさかこんなにも動揺されるとは予想外だ!!
取り合えず、落ち着いてもらわなくては…。
「大丈夫だって、バグだ…」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!
まだ死にたくないよぉぉぉお!!」
「落ち着いて!!落ち着いてカホ!!」
「ミコちゃんとイチャイチャしないで死ぬなんて嫌だよぉぉぉお!!」
「はぁ?」
ミコちゃんって誰?
イチャイチャ?
何を言っているんだこのバカは。
「カズちゃんやユリちゃんともまだなのにぃぃい!!」
成る程、カホが今プレイしているゲームの女の子達か。
そのことが分かった時、私は怒りと恥ずかしさが同時に込み上げてきた。
「いっそのこと死ね!!死んでまた死ね!!」
「見捨てないでーー!!」
私はスクールバッグを持ち教室を後にする。
その後から慌ててカホが追いかけてきた。
恥ずかしさのあまり、顔が赤くなっていたかもしれない。それを隠すためについ何時もの癖で毒舌を吐いてしまった。
心配して損した。
──カホのバカ……。
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