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『誰にも言えない』
今でも度々思い出しては顔が赤くなり、顔を覆いたくなるほど恥ずかしい記憶がある。何故か忘れることが出来ず、鮮明に覚えている記憶だ。
私が中学2年生の時で、ある小春日和の日だった。テストが近いということで、皆は何時もより真面目に授業を受けていた。
突然目が痒くなり、掛けていた眼鏡を一旦外し、思いっきりゴシゴシと目を掻いていた。痒みが治まりスッキリしたところで、外していた眼鏡を掛けた。
その時だった。
ブスッと眼鏡と鼻が当たる部分の部品が、何と、何と私の鼻に入ったのだ。
鼻だよ?鼻!!
鼻にブスッと入っちゃったんだよ!!
誰かがこの一瞬の出来事を見ていたのではないかと思うと、顔が赤くなり耳まで熱くなった。
そわそわしたり、キョロキョロしたりしたが誰も見ていなかったようだ。
いや、見ていない!
見ていないはずだ!
見ていないことにしよう!!
と自分の中で解決し、冷静になりながら授業を受けた。
それ以来、眼鏡を掛ける度にまたやってしまうのではないかと思い、学校で眼鏡を掛けるのを止めた。と言っても、母から高校になったらコンタクト良し!と強く言われてしまったので、中学では渋々眼鏡を掛けていたのだが…。
* * *
はぁ……、恥ずかしくて誰にも言えないよぉ…。
「えぇーカホ!?何で急にしかも更に落ち込んでるの?奈落の底まで落ちた?ねぇねぇカホーー!!」
眼鏡を掛けていないしーちゃんが羨ましいよ。
はぁー……。
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