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人が住む人間界の下に魔界がある。
この二つは決して交わらない。否交わってはいけない。
更にその魔界の外れに妖怪だけが暮らす妖魔界がある。
魔界は毒素があり人間が住む事は出来ない。
しかし妖魔界はどちらかと言えば人間界に近くのどかな自然もあり暮らしやすい環境が揃っている。
そんな妖魔界で一際大きな屋敷がある。
妖怪を束ねる妖王が住む屋敷だ。
魔界の王が住むのは派手な装飾品が並ぶ城だが妖王が住むのは人間界にある貴族の屋敷に近い。
外見もそうだが屋敷の中も派手な装飾品が一切無く本当に王が住んでいるのか疑うほど質素だ。
その屋敷の一番奥の書斎に彼はいた。
背中まである綺麗な銀髪。つり上がった瞳は鮮やかな青に染まり端正な顔立ちは一言で言うとイケメンだ。
そんな彼が机に溜まっている書類を無視して人間界の狩りゲームをしているときだった。
「妖王様~」
少し高い声と共に一人の男の子が入ってきた。
「なんだルイ?」
ルイと呼ばれた子供は妖王と同じ銀髪を肩まで伸ばし幼い顔立ちだ。
「これが人間界から届きましたよ。」
ルイの手にはA3サイズの茶封筒がある。
妖王は狩りを中断して封筒を受け取った。
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