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「じゃあダメじゃん。」
「何がですか?」
妖王はもう一度封筒から募集用紙を取り出す。
「だって対象年齢16歳って書いてるし。」
人間界の魔法学園は16~18までの三年間在学する掟となっている。
「じゃあ今年は出せませんね。」
「う~ん。」
どこか歯切れの悪い妖王。
「何かあったんですか?」
「実はなこの留学制度を作ったとき毎年一人は留学生を出すって約束しちゃっててな~」
「それで?」
「約束破れば罰ゲームがあるんだよ。」
「何でそんな約束を……」
ルイは呆れ果てている。
「で、罰ゲームって何ですか?」
「妖魔界を明け渡す。」
「………は?」
「なんだ聞こえなかったか。妖魔界を人間界と魔界に明け渡すんだよ。」
「ふぅ………」
ルイは一息ついて
バンッ!!
思い切り机を叩きつけた。
「このアホんだら!!何勝手なこと言ってやがるんだ!!」
衝撃で机にあった書類が半分以上床に落ちた。
しかし今のルイにそんなことを気にする余裕はない。
「もともと妖怪の子供が少ないことくらい知ってたでしょう!?」
「ほら妖怪なんだし子供くらい一回に十や二十産むかなって~」
「産むか!!妖怪だろうとせいぜい五つ子が限界だ。基本人間と体の作りは変わらないから。」
「妖怪なら一年で10歳くらい年とるかなって。」
「とらねぇよ。妖怪も人間も魔物も一年に1つしか年とらねぇよ。てかあんた妖怪をなんだと思ってる!?」
「う~ん妖怪?」
「…………。」
これはもうダメだとルイは諦めた。
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