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「さすがに若いだけあるわね。まだまだいけるんじゃない?」
「ご希望とあらば…」
「わかってて嫌な言い方するわよね…」
細い指を俺に這わせ上目遣いで俺を見る。
「嫌ですか?」
「意地悪ね」
俺に指を絡ませ、ペロリと舐める。
「克喜ったら最近体力なくて物足りないんだもの 」
喉深く、まだ強度を失わない俺を含み、口をすぼめ吸い上げるウデはさすがとしか言いようがない。
「ねえ…これからも…ダメ?」
舌を這わせ、彼女は甘えるような声で聞く。
「ありがとうございます。でも、これっきりです。俺は後腐れない関係のまま、その場限りを楽しみたいんですよ」
「あら、私が貴方に夢中になるとでも言いたいの?」
「ええ…きっと。深みにはまりこまない関係のうちに終わらないと、俺なしじゃいられなくなりますね。高橋さんに悪いですから」
「たいした自信ね。じゃあ、私をもっと満足させて…」
「そのつもりです」
湿った音を部屋に響かせて、意味のない体の繋ぎで、ただ飢えを満たす。
そう、ただ飢えているだけ…
体の満足が、心の満足に繋がることはない。
俺が通りすぎたどんな相手でも…
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