~・シレネ・~

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俺は戸惑う女性を無視し、勝手に中に入った。 中ではあのおっさんが、お粗末なモンを出したままタバコを吸っており、俺に気づき慌てて中にしまった。 (グロ…他人のは見たかねえって…) 「誰だ!」 「名乗ったら貴方も名乗ってくださいますか?会長さん」 男は赤い顔から急に青ざめた顔になっていく。 「この女性の万引きより、貴方の罪の方が重いと思いますけど?強請に強姦…調べればまだあるかも…立派な犯罪者の仲間入りですね。会・長・さ・ん」 「あ…いや…それは」 目を泳がせる男に俺は畳み掛ける。 「今すぐ体を調べてもらえば、貴女の受けた“暴行”はすべて証拠として残るはずです。どうせゴムも着けずに生でやってたクチでしょ?DNAとれるはずですよ。射精しなくてもカウパー出まくってたでしょ」 「な…こま…」 「困る?困るのはあんたみたいなゲス野郎の存在だろ?」 男は半泣きでオロオロなってる。 おもしれ~! 「なあ、彼女の旦那…あんたに借金あんの?」 「え…あ…ああ。100万…」 「じゃ、今回ので半分チャラにしなよ」 女性は驚いた顔で俺を見る。 「痛み分けっての?どうよ?」 結局、男は渋々のみ、俺は紙に書かせて拇印まで押させた。 法律的なこと詳しくないからね。 要りそうなことだけさせた。 男は複雑な顔をしながら帰っていった。 「出すぎたことをしてしまいすみません」 「いえ…ありがとうございました」 女性は深々と頭を下げ、これまでの経緯を語った。 彼女が言うには、一ヶ月前に旦那がえらく年上の家庭のある女と逃げたらしい。 その時、貯金も持っていかれ、逃げる資金にあちこち借金したようだ。 合計で300万… そして借金した中にさっきのおっさん…町内会会長がいたとのこと。 なんて言うか…この町内もあんなおっさんしかいねえのかよ、会長に。 今は隠していた独身時代の定期を少し解約し、当座はしのいでいるらしい。
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