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「えーー!?
いやいや、そりゃ困ります困りますって! 」
冴丸くん、納得がいかないといった様子で不満をもらしました。
しかし、
「何が困るのさ? 」
マルチェロくん、冴丸くんがどうしてそんなに焦っているのかわかりません。
キョトンとした顔でその理由を尋ねます。
そもそも、
「ねぇねぇねぇ、ところで今更だけど、君は何者?
どうして裸でダンボールに詰められていたの?
ローザの嫌がらせ?
人身売買?
警察に言うべきなのかな? 」
マルチェロくんには、冴丸くんについてわからないことがいっぱい。
あれやこれやと聞かずにはいられません。
「警察? いらんいらん。事件性ないっすもん」
「は? 事件性がない?
どの辺が?
簡潔に! 簡潔に説明してよ!
できるなら15文字以内で」
「え? それはほら、俺がドールだから? 」
「えぇい! 句読点でオーバーした上に、
まるで意味がわからん! 」
マルチェロくん、冴丸くんに頭突きを食らわせました。
「っ~~~~~~!? 」
ちなみにマルチェロくん、かなりの石頭。
当たった方はめちゃくちゃ痛いのです。
「なに? ドールって、君は、え? 人間じゃないの? 」
「……イテテ。だからさっきからそう言ってんでしょーが。
俺はラブドール。
なんで買った本人がそれ知らないんすか」
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