1.押しますか? 押しませんか?

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『いいもの? ……可愛がってもらう? 』 マルチェロくんは、 ローザ嬢の発言をヒントに、 プレゼントがなにか必死に読み解こうとしました。 しかし、 まるで思い浮かびません。 そして、そうこうしてる内に、 例の贈り物が届くのです。 ピンポーン 「すみませーん。 お届けものでーす。」 「あー、はいはい。 今、開けまーす」 マルチェロくんは、 小走りで玄関に向かい、 ドアの鍵を開けました。 ドアの向こうには、 黒スーツのフェロモン系のにーちゃんが立っていました。 しかし、とても配達員には見えません。 「ローザ=ロロブリジータさんから、ナマモノのお届けです」 「ナマモノ? 」 「はい、お早めにご開封ください」 黒スーツのにーちゃんは、 特上スマイルでそう言うと、 縦長の、もう棺桶かってくらいの大きさのダンボールを2つ、 マルチェロくんの部屋の内側に押し込みました。 すごく重そうでした。 「ふぅー、じゃあここに、ハンコかサインお願いしまーす」 マルチェロくんは、 言われた通り 受取のサインを書きました。 「これでいいですか? 」 「はーい、どうもでーす」 そして去り際、 黒スーツのにーちゃんは言うのです。 「では、どうぞ可愛がってあげてくださいね、マ・ス・ター(ウインク)」 フェロモンにーちゃんによるウインク攻撃。 ノンケのマルチェロくんは、 冷めた表情でさっとドアを閉めるのです。 「……なにアイツ、きもっ」
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