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『いいもの?
……可愛がってもらう? 』
マルチェロくんは、
ローザ嬢の発言をヒントに、
プレゼントがなにか必死に読み解こうとしました。
しかし、
まるで思い浮かびません。
そして、そうこうしてる内に、
例の贈り物が届くのです。
ピンポーン
「すみませーん。
お届けものでーす。」
「あー、はいはい。
今、開けまーす」
マルチェロくんは、
小走りで玄関に向かい、
ドアの鍵を開けました。
ドアの向こうには、
黒スーツのフェロモン系のにーちゃんが立っていました。
しかし、とても配達員には見えません。
「ローザ=ロロブリジータさんから、ナマモノのお届けです」
「ナマモノ? 」
「はい、お早めにご開封ください」
黒スーツのにーちゃんは、
特上スマイルでそう言うと、
縦長の、もう棺桶かってくらいの大きさのダンボールを2つ、
マルチェロくんの部屋の内側に押し込みました。
すごく重そうでした。
「ふぅー、じゃあここに、ハンコかサインお願いしまーす」
マルチェロくんは、
言われた通り
受取のサインを書きました。
「これでいいですか? 」
「はーい、どうもでーす」
そして去り際、
黒スーツのにーちゃんは言うのです。
「では、どうぞ可愛がってあげてくださいね、マ・ス・ター(ウインク)」
フェロモンにーちゃんによるウインク攻撃。
ノンケのマルチェロくんは、
冷めた表情でさっとドアを閉めるのです。
「……なにアイツ、きもっ」
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