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「うーーん」
どうしたものかと、
マルチェロくんが俯いて唸っていると、
一枚の紙が目に止まりました。
その紙には、
汚い走り書きで《押しますか? 押しませんか? 》
と書かれていました。
マルチェロくんは、
その意味不明なフレーズが気になり、
安っぽいコピー用紙をつまみあげました。
ちなみに、
裏にはこう書かれています。
《第5ドール。柚木 冴丸(ゆぎ さえまる)をお買い上げ有り難うございます。
冴丸はとっても力持ちです。
開かないジャムの蓋を開ける才能に長けています。
昼間はあなたのジャム開け職人として、
夜はあなたのパートナーとして、
存分に役立ってくれるでしょう。
起動方法
「ぽちっとな」と言いながら、地区Bをクリック》
マルチェロくんは、
そのふざけた文面を真に受けるべきか悩みました。
第5ドール……
ジャム開け職人……
夜のパートナー……
役に立つ……
ぽちっとな……
まるで意味がわかりません。
それにその起動方法は、
「もっとマシなのなかったのかなぁー」
それはもう、罰ゲームかってくらい恥ずかしいのです。
しかし、そうこう悩んでいても物語が始まりません。
マルチェロくんは、
意を決して、ジャム開け職人の地区Bをクリックするのです。
「ぽちっとな」
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