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「へ? ちょ、へ?
ちょ、マスター?
なにぃな! なにぃな、いきなり! 」
冴丸くんは、
急に豹変したマルチェロくんに動揺を隠せません。
後退り、当然の如く狼狽します。
「…………おい服着ろや。さもねぇとテメーのちょんぎって、
ちん〇んぷらぷらソーセージにすっぞ! 」
ハサミをジョキジョキしながら、
マルチェロくんは冴丸くんに迫ります。
もちろんそれは嫌でしたが、
文字通りからだ一つで出荷された冴丸くんに服なんて用意されているはずもなく……。
「ちょ、ないです。服ないですって。
貸してくださいよ。
あれっすか。続きは、
『はーいはーいハムじゃないー♪』っすよね」
おどけて歌を歌いだした冴丸くんに、
マルチェロくんはイラっ。
神経を逆ブラッシングされるのです。
「おんどれ、誰が西郷〇彦の歌を……
サイズあるわきゃねーだろ」
「西城秀〇っすよ。
100円交番に届けるやつっす」
「はぁ? いっちょ前に訂正してんじゃねぇよ! 」
「いいから!
なければないでタオル貸してくださいよ」
「ちっ」
マルチェロくんは、
舌打ちをした後、
冴丸くんにバスタオルを貸してあげました。
しばらくして、
気を取り戻したマルチェロくんは、
タオルを腰に巻いた冴丸くんに言うのです。
「えっと、あの、ごめんね?
僕、アレのおっきい人を見ると、
ついムカッとなって、人格が変わっちゃうんだ。
だから、
もう二度と裸で僕の前に立たないでね」
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