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西側坂上、正面木戸は伊賀、伊勢勢千騎、
搦め手側、出塀の口は大和、河内勢、
南側の坂、仁王堂の前は、和泉、紀伊勢七百騎が固めている。
「うろたえずに堂々としていろ」
陶山義高ら一同は城内を歩き回っていた。
あまりにも堂々とした様子だったので城内の誰もが怪しむことがない。
「見張り、御苦労でござる。我等、大和国柳生庄の郷士五十騎。夜巡りにござる」
「や、このような嵐の晩に?」
「このような晩だから、尚更でござる」
「なるほど、それは御苦労」
たまに呼び止められても、義高は巧みな答弁で全て切り抜けた。
こうして城内の見取りをほぼ把握しておく。
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