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「ご覧のように、めくったカードにはランダムにアルファベットで印がつけられ、めくったことが分かるようになります」
「つまり、めくったカードは見れるけど、そのカードのスーツとか数字は分からないようになってるってことですか?」
「ええ、そう捉えてもらっても構いません。あなたがたは、その印でカードを推測し、めくっていく必要があります。もちろん、ペアがめくったカードや今私めがめくったカードは確認することができますので、推測の材料にはなりえます」
推測、とマリオネは言うが、数字が見えない以上、本来の神経衰弱よりも圧倒的に情報量が少ない。
神経衰弱というのは他人がめくったときの情報と、運が勝利を呼び込むと僕は思っているのだけれど、5枚めくる時点で運に頼ることは難しく、さらに情報量も絞られる。こんな状況でどうやって戦えばいいのか。
さらに、勝てるのはたった2ペア。
そう思うとドシンとプレッシャーがのしかかる。
僕は勝てるのか、喉が急激に渇き出す。
まだ始まってもいないのに、緊張感に押し潰されそうになる。
「次はあなたの番です」
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