邨田 零次 その1

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 オレっちたちの反応なんてお構いなしに、マリオネは喋り続ける。 「ですが、勝てばポイントを差し上げますよ」 「ポイント? ポイントってなんなんだよ」  誰かの声を聞いてマリオネは丁寧に答えていく。 「勝利ポイントです。勝てば勝つほど、良いことが起こりますよ。まあ勝ち続けてからのお楽しみってやつです。楽しみがあったほうが面白いでしょう」  さて、とマリオネは言って指を鳴らす。  1:00のカウントダウンが表示される。 「一時間以内に代表者を決め、奥の部屋にお進みください。代表者が決まらなかった高校はそのままリタイアとさせていだきます」  リタイアの意味は重々承知していた。  マリオネはその言葉を最後に奥の部屋に引きこもり、13校の生徒とそれぞれの引率者が残された。
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