邨田 零次 その1

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「あ、オレっちイヤっすよ。真剣衰弱ムリっすもん」 「そういう問題でもないわ。きちんと話し合って決めないと」 「でも実際問題ムリじゃない。誰が行くとか。ぼくも真剣衰弱得意なほうじゃないよ」 「得意とか不得意とかあるのかね? やっぱり記憶力?」 「キミたちがそういう相談する必要はないよ」 オレっちたちが相談していると油井家センパイがそう言った。 「ここは僕と亜衣子で行く」 「でも……」 「いいんだ。それに僕たちは暗記が得意だからね」  そう言って油井家センパイは乾いた笑いをオレっちらに向けた。
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