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田中は互角だと思っていた。
少なくとも自分に向かってくる相手がいたことを
喜んでいた。
なのに・・・
なのに・・・
「お・・・お前は・・・俺を馬鹿にしているのかっ!?」
「ああ」
「・・・お・・・おおおおおおおおお!!!!!!」
田中は走り出しハンマーを振り下ろす。
止まる。
田中は泣く。
「俺の・・・俺の心は・・・こんっなにも・・・
軽かったのか!!!」
田中は絶望した。
田中は小さい頃、エレベーターに
閉じ込められたことがあった。
その日は母の誕生日だった、学校から帰ってマンション
のエレベーターに乗ると、ゴウンッという音とともに
エレベーターが止まり閉じ込められた。
田中と一緒に乗っている会社員はいいひとだった。
田中に必死に「大丈夫だよ」「すぐに助けがくる」など
言いかけた。
しかし会社員は苦しそうにもがき始める。
最後は「ごめん」と一言言って倒れた。
田中は子供なりに理解し彼を助けたいと願った。
心からの願いだった。
「カラスミ」はそれを叶え、
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