マッシュポン

　自分の部屋のベッドの上に、
すっ飛んで戻っちゃいました。

　おまけに、
あまりにもすはやくすっとんでいったので、
全部忘れちゃったんです。

　マッシュポンのことも、
やっと会えた、
シンチャンのことも。

　いまはちょうど、ゆきがふる、あのあさの時間。
　キョウコさんは、カーテンをあけました。
　雪がうっすらとつもったベランダに、
赤くて小さなハコがおいてあります。

　だけどキョウコさんは、
なぜかハコに気がつきません。

　「ゆきだわ。ころばないようにしないとね」

　そういいながら、あさのみじたくを急ぎます。