夫婦の名乗り

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「俺……ほんとにこの家の子か……?」 悲しそうにぽつりとつぶやくティム。 どうしたのかと尋ねられ、叫び出す。 「何で俺には相手がいないんだよ!好きになれる女もいねぇし!ナイト家の一員なのにおかしいだろ!?」 ぐしっと涙を拭う。 確かにティムには特定のガールフレンドはいなかった。 みんな友達として付き合っている。 泣いているティムに声を掛けられず、見守るしかない家族達。 そこへ女の子が駆け込んで来た。 ティムに飛びつきギュッと抱き締める。 驚いたティムが顔を上げると、美少女がにっこり微笑んでいた。 「だ、誰……?ディアの友達か……?」 首を振り、口づける少女。 驚き目を見開くティム。 だが不思議な感覚だった。 初めて見る女の子なのに、昔から知っているような気がする。 気づけばディープなキスをしている自分がいた。 ハッとして少女を押し離す。 「だ、誰だよお前!」 「ティ、ティムの相手よ!びっくりした!誰なの!?学校の子!?」 いつの間にかティムの産まれた時間が過ぎていた。 突然現れた少女とペアである事が判明し、驚くシルビア。 「し、知らねぇし、初めて会ったし、だ、誰なんだよ……。」 微笑んで答えようとした少女の前に、スッと人影が現れた。 .
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