二人の伝記

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6月某日。 シャスタとシルビアの伝記が発行された。 事実を元にしたフィクションとして出版された本。 その反響は大きかった。 フィクションとは思えない内容に、芸能業界が調査を開始する。 掘り出されたのはクレルモン時代の雑誌。 ラウと共演した映画の、謎の女性を特集した物だった。 同じ姿の女性に世間が騒然とする。 「あはは、騒がれれば騒がれるほど売上が延びるわね。」 「ママは楽観的ね。でも信憑性はイマイチだから━━ま、いっか。」 と、ソフィアも楽観的だった。 まあ、バレても構わないという姿勢で出したのだから問題はない。 次に掘り出されたのは資産家マクファーソン。 20数年前までは実在していた人物である。 その資料は膨大だった。 「やはりマクファーソンは有名すぎましたね。新聞・雑誌に載りまくりでしたから……。」 「そうね~。でも私の事ばっかり掘り出しちゃって……。貴方の事はどう思ってるのかしらね。」 「私の事は本当にフィクションだと思ってるんじゃないですか?現実離れしすぎですからね。」 と、ちょっと物足りなそうにしていたシャスタだが、ナイト2000の映像も掘り出された。 .
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