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と、シルビアが木の上に止まっている鷲に気づいた。
その視線はディアに向けられている。
「ガ~ル~ダ。何してるの?」
突然声を掛けられ慌てるガルダ。
気まずいのか、そのまま姿を消してしまった。
「ガルダがいたんですか?」
「うん。何か訳ありっぽい。ちょっと行ってきて良い?」
どうぞと言われ天界に赴くと、化身を解いたガルダが芝生の上に座っていた。
「ガルダ?何かあったの?」
その声に振り向き、あたふたする。
「もしかしてディアと喧嘩でもした?」
「い、いえ……。それ以前に……あまり交流が無くて……。」
5年前、ガルダと結婚すると宣言したディア。
子供の言う事だからと承諾したガルダだが、当のディアは本気らしく、彼の事をずっとフィアンセとして見ていたのだ。
それが去年あたりから変わったのだと言う。
「大人になった証拠なんだと思いますけどね。人間の中に好きな相手を見つけたのならそれはそれで良いんですが、ディアの態度が変わりすぎて戸惑っているんです。」
ため息をつき、続ける。
「故意に避けられている気がして……。何か怒らせるような事でもしてしまったのかと様子見に……。」
「変ね~。あの子、変わってないと思うわよ?初めてプレゼントされた指輪だって着けてるし。」
ピンキーリングになっちゃったけどね~と笑うシルビア。
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