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「あ、でも思春期だし……同年代のボーイフレンドが出来たのかも。」
ティーンなら当然の事だと考える。
「わ、私というものがありながら……?」
そのつぶやきに驚いた。
「ガルダ……?貴方……ディアの事……」
「え?ディアが何……?」
自分の言った言葉に気づいていない。
無意識につぶやいたのだろうか。
「ううん、何でもない。後でディアに聞いておくわ。」
ふふっと笑って下界に降りる。
思えばこの数年、ガルダ降臨の理由はディアにあった。
誕生日は勿論の事、学校のイベントにも顔を出していた。
ディアはガルダにべったりで、まあ子供の懐き方だったが仲は良かった。
「あ、でもディアは子供だし。アゴス達みたいに嫉妬してるのかも。」
未だにガルダを動物として見ているシルビア。
愛の女神として二人に何も感じないのだから仕方がない。
それからシャスタ達と合流し、帰宅した。
シルビアが去った天界では、ガルダが一人悶々していた。
『ボーイフレンドが出来たのかも』
シルビアの言った一言がガルダの感情を揺さぶっていた。
ディアにボーイフレンドが……?
その相手に嫉妬をし、嫉妬した事で自分の気持ちに気づく。
自覚した想いは焦りを生み、決意したガルダは下界へと降りて行くのであった。
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