ガルダとディアのすれ違い

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「おばあちゃん……。私とガルダ……ペアになれる……?」 真剣な眼差しで尋ねられ、言葉に詰まる。 「ん~……ごめんね。まだ分からないの。ディアが大人にならないと分からないのよ。」 悲しそうな顔をされ、慌てて付け加える。 「あと2年よ。16になったら分かるから。その時になったらガルダの気持ちもはっきりすると思うし、本気で結婚も考えると思うわ。」 そこまで言ってディアの様子に気づいた。 目を見開いたまま震えている。 「ディ、ディア……?」 彼女の目から涙があふれ出る。 「ほ、本気じゃなかったんだ……。私が子供だったから……冗談で言ったんだ……。本当のフィアンセじゃ……なかったんだ……。」 そう言って、わっと泣き出した。 考えれば分かった事だった。 思い返してみれば、結婚の約束をした時ガルダは笑っていた。 涙ぐむ自分を見て気休めに言っただけだったのだ。 初めて貰ったこの指輪も、普通の誕生日プレゼントでしかなかった。 婚約指輪だと思った自分に、そんなつもりじゃないと彼は言っていた。 この5年間を思い返してみると、それはまるで子供のお守りだ……。 .
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