ガルダのプロポーズ

17/21
前へ
/463ページ
次へ
格闘に興味が無かったティムも、9歳の頃から修行を積んでいた。 ディアに遅れる事3年。 だが、シャスタとシルビアの血筋を受け継いでいる孫だ。 その実力はディアに負けていない。 5年の修行でディアと互角になっていた。 いや、ティムの方が少し上を行っている。 「やった!ディアの勝ちね!」 「へへっ、婚約祝いだよ。今日だけは勝ちを譲ってやる。」 「負け惜しみ━━じゃないね。うん、ありがと。」 「ほら、タオル。」 ディアにタオルを投げ渡し、腰を降ろして話し合う。 「良かったな、プロポーズされて……。」 「うん。気休めだった事に気づいて泣いてたの……。そしたらガルダが来て……ガルダも自分の気持ちに気づいたって言って……。本当は16になったら改めてプロポーズするつもりだったんだよ?でも先にプロポーズされちゃった。」 えへへと嬉しそうに笑う。 「お前、本気だったもんな。傷つかないうちに諦めて欲しかったんだぜ?」 だからわざと馬鹿にしていたのだと本音を聞かせた。 そしてコムリンクを操作する。 〔はは、大人になっても気持ちが変わらなかったら結婚しましょうか。〕 流れた声に驚くディア。 5年前のガルダの台詞だ。 .
/463ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加