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この俺、神凪風太(かんなぎふうた)の朝は不幸で始まる。
平日だろうと休日だろうと関係ない。本日12月6日も同じく朝からついてなかった。
「遅刻ダァァァァアア!」
最近機種変した携帯のアラームをセットし忘れていた…のではなく、充電器の刺さり具合が甘かったようだ。慣れていないからか、半分くらいしか刺さっていなかった。
「なんなんだよマジで…! 慣れないことはするなってことか…?」
神様酷いぜ。機種変して
『19にしてやっとスマホだぁ!』
ってちょっと調子乗ったからってこの仕打ちはないじゃないかな…。
「クッソ…、今何時だ?」
紺色のタブレットを起動させる。大きく表示されたデジタル時計は九時ジャスト。会社は八時から朝礼が始まるから、それまでに入らなきゃならない。
つまり…、
「…遅刻だ……、あれっ?」
改めて、神なんてこの世に存在しないんだなぁって認識していると、あることに気付く。
時間を確認した後、日付も見るのが俺の毎朝のクセ、あるいはルーチンワークなのだが、果たして12月6日、今日本日この日の曜日はというと、
「今日、日曜、じゃん」
日曜日。会社は休みである。
あまりの安心感と取り乱したバカバカしさで変な区切り方になってしまった。
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