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一つの疑問が解かれると、次の疑問が浮かんでくる。
「あの、先ほど言われてた手紙って、どんな内容だったのかお訊きしてもよろしいですか?」
「ま~、そんな堅くならなくていいのに。自分のお母さんと同じように話してくれていいのよ~」
英里はそんな風に言ってくれたが、そうそうできることではない。
仲の良さそうな姉妹に、雰囲気も柔らかい人達で場は和んできたけど、さすがに母に話しかけるようにとは無理な話だ。
苦笑いで返すと、質問の答えは由里が引き継いだ。
「それがねぇ、姉さんと悠くんのところに同じ内容の手紙が届いたのよ。『日野井鴻は、同じ会社の宮嵜彗星と交際している。彼女はトラブルメーカーだ。すぐに手を打った方が良い』っていうね」
悠くん…?
そういえば社長の名前が悠平だから、社長のことだなと自分なりに解釈していると、そのまま英里が続ける。
「自分は名乗りもしないでおいて、人のことだけ書いて何なのかしらね。だいたいひどいトラブルメーカーだったりしたら、私達のところまで報告もくるわ。それに鴻が選んだ子のことを反対する気はないのよ」
少し憤った感じで、最後は彗星に話しかけるように。
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