200人が本棚に入れています
本棚に追加
「鴻さんのお店にお客さんとして行ってました。そこでよくお話をするようになって、最初はこの会社の日野井さんだとは気づけていなかったんです」
「そうだったのね。同じ会社とは知らずにあの店で出会っていたなんて。もう、これは運命だわ~」
この場で一番若者のはずの彗星がついていけないぐらいに2人のテンションはぐんぐん上がっている。
ア然とするより他ない。
なんてパワフルなおばちゃ…いいえ、お母さま達なんだろう。
口を挟める隙もなく、ぽか~んと止まってしまっていた。
「あらあら、ごめんなさい。私達、息子達の恋愛話を聞くのが楽しみで。でも本人に訊いてもなかなか話してくれないものだから。ねぇ~?」
由里に同意を求めている。
「そうなのよ。最近、桜に訊いたばかりなのに知らないって言ってたから。あんなにしょっちゅう一緒にいるから知らないはずないのにね~」
そう言った姉妹はお互いを見て頷き合っている。
なるほど。
今まで桜から筒抜けだったということか。
だけど、今回は聞いていないって……
私とのことは内緒にしたいってこと?
最初のコメントを投稿しよう!