第1話

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視界に見えてきたのは、薄暗くも色味がきれいな照明。 カウンターに5つの椅子。 壁にはめ込まれた棚にはカラフルな瓶がいくつも並んでいる。 奥にもドアがあるけど閉まっているので、その先は見えない。 住居でいうちょっと大きなリビングぐらいの広さだ。 それにしても、ここって...もしかして、BAR? テレビで観たことはあっても実際に行ったことはない。 あの照明も椅子も絶対にHiNOiだ。 目を輝かすように見回していると、カウンターと棚の間で1人の男性が驚いた表情でこちらを見ていることにようやく気づいた。 勢いよく入ってきたかと思えば、そこにいる人物をスルーした上にいきなり店内を物色するように見回している女がいれば、それは驚くかも。 それにしても彗星が男性の存在に気づくまで有に1分弱はあったはずだ。 その間、声もかけずに待っていてくれるとはなんて気が長い人なんだろう。
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