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どういう声?
どういう話し方?
どういう人なんだろう?
初対面なのにこんなにもイロイロなことを知りたいと思うなんて。
鳴り響いたばかりの鐘の音もしばらく止みそうにないし。
ーもしかして…
これがヒトメボレというものなの?
けれどいつまでも下を向いている訳にはいかず、様子を窺いながらもゆっくりと顔を上げる。
「…いらっしゃいませ」
また瞳が合って、男性が軽い会釈をつけた。
その低く男らしい声にまた胸の鼓動が高鳴る。
だけど…あれ?
胸の高鳴りを感じながら、何かが頭の中でひっかかる。
この声ってどこかで聞いたことがあるような…。
最初に男性が発した「あの…」という一言では気付くこともなく。
というよりも、その瞬間は白いモヤに覆われた感覚に心ここにあらずで聞こえていなかったという方が正しいかもしれない。
冷静になろうと瞳を閉じてゆっくりと考えてみる。
結局答えは出ず、芸能人か誰かだったのかも、と思った時には顔の赤みはとれてきたように感じた。
胸の内は変わらず早鐘を打っているように騒がしいけれど。
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