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上り切って見えるのは四角いガラスの付いたドアだった。
大きく息を吐いてドアノブに手をかける。
心を落ち着かせるように一度大きく息を吸ってからドアを押す。
「……っ!!」
少し開けたドアの隙間から声が聞こえた。
その声はとても悲鳴に似ていて悲痛な叫びと共に何度も何度も屋上のフェンスに頭を打ち付ける彼の姿を見て思わず私はドアノブから手をはずし屋上のドアを背に座り込む。
木羽くんはいつも慣れてるんだと思っていた。
クラスの人からの視線も自分の立ち位置や存在も全て全て慣れていてそして諦めているんだと……。
けど、それは違った。
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