4人が本棚に入れています
本棚に追加
木羽くんの目がまた更に鋭くなった。
丹桜さんの手を鬱陶しそうに払って席から立ち上がる。
一瞬にして教室が凍りつく。
―ガラガラ。
―バタン。
段々木羽くんの足音が遠くなる。
「……丹桜。
席に着きなさい。
ホームルームを始めるぞ」
静かな教室には担任の紫暢ちゃんの声だけが木霊する。
木羽くんがいなくなったのに気にしたそぶりを見せない。
木羽くん…どこに行ったんだろう。
きっといつもの屋上だと思うけど…なんだか胸がザワザワする。
丹桜さんが転校してきた理由を木羽くんはきっと知っている。
木羽くんと丹桜さんの間にはきっと何かあるんだ。
もし、聞いたら木羽くんは…
――教えてくれるだろうか…?
?
最初のコメントを投稿しよう!