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「あの……卓人? それじゃ料理しづらいよ。」
「んー? そぉ? 」
とかトボけながら、卓人の手はエプロンと服の隙間に滑り込んでくる。
そして卓人の大きな掌は、あたしの胸元をやんわり包んだ。
「ちょっと、卓人ってば。聞いてる? 人の話……っン!」
振り返って卓人に抗議しようとしたら、口唇を塞がれて、何も言わせてもらえなくなった。
卓人の舌が口内に侵入し、あたしの舌も絡めとる。
熱がこもるキスにあたしの思考回路はシャットダウン。
やっと唇の支配から逃れたかと思ったら、
「……皐月のエプロン姿、そそられる。今度、裸エプロンしろよ。」
と、ニヤニヤしながら囁いてくる。
「……バカじゃないの? ゼッタイしないよ。」
思わず冷たく睨み返してやった。
「え~。じゃあ、そのうち何か賭けて、俺が勝ったらやってよ。」
「それはもちろん、あたしの得意分野での勝負でいいよね?」
「ダメダメ。俺が勝てる分野。」
「それじゃあ、賭けにならないでしょ!」
もう!、と軽く卓人の胸を小突きながら、ホントばかなんだから、と
笑いが漏れた。
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