保健室を訪れるヒトたち

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「なぁに? デートなんて誘われるのしょっちゅうじゃないの?」 あたしが入れたアイスコーヒーのグラスに口をつけながら、 そう聞くさやちゃん。 「そうなんだけど……、あのコ、あたしを脅すようなやり方してきたの!」 「へぇ~。やるわね~! さすが元生徒会長!」 感心した口ぶりで目を丸くする。 「どんな脅しされたの?」 あたしは、さっきの会話の一部始終を話して聞かせた。 「ナルホドね。で、どうするの?」 「どうするも何も。」 ……どうしようかな。 さやちゃんの向かいに腰掛けていたあたしは、ちょっと俯いて考え込んだ。 そもそもデートじゃないよ、うん。 教育的指導、の範囲であたしに出来ること…… とにかくあの自信満々ってカオが気に入らない。 脅しだろうとなんだろうと。 ――――聞いてやろうじゃない。
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