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「外でなんて会うもんかって思ってたけど……、会ってやろうかな。」
ふふっとさやちゃんは笑って、
「そうだね、いいんじゃない? 彼の話も、気になるわよね。」
そう。
あたしの話はどうでもいいけど、
桐生くんが抱えてるものが何なのか。
それを垣間見るチャンスだとも思う。
「小悪魔さっちゃんのお手並み拝見させていただこっと!」
「ちょっ…、さやちゃんまでやめてよ~!」
は~っ、と大きなため息を吐いてうなだれる。
でも、そうだ。
コレは養護教諭の意地にかけても
一生徒にいいように使われたりなんて出来ないんだ。
あたしが小悪魔かどうかはともかく、
彼の罠には陥らないように、多少は狡くいかないと。
きっと何か仕掛けてくる、そんな気がするから。
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