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「織田も懲りないね~。あんたにさっちゃんは無理よ?」
あたしの目の前でそんな鋭い指摘をするさやちゃんに脱帽。
「白石の言うことなんか聞くかよ。オレはオレで攻めるの! ご心配なく!」
べ~、とまるで子供のように舌を出す織田先生と、まるで保護者みたいなさやちゃんのやりとりにはいつも笑わせられる。
聞いてないふりをしようとしたけど、ついクスクス笑ってしまった。
「あっ、今の聴こえた?」
振り向くと、目を爛々とさせてる織田先生の顔。
「いいえ? 何も聴いてません。あ、これどうぞ。」
素知らぬふりをして、笑顔を作りながらアイスコーヒーを注いだグラスをテーブルに置く。
「おかしーな、絶対聴こえたよなぁ?」
織田先生は、ありがと、と言いながらさやちゃんに相槌を求めていた。
「本人が聴いてないって言ってんだから、つべこべ言わないの。」
ピシャリと返されたものの、まだ納得いかないみたいな表情でアイスコーヒーを啜るのを見て
話題を変えよう、と思案していると。
さやちゃんが、そういえば、と口を開いた。
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