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すると、卓人はニヤッとしながらあたしの目の前に立ち上がった。
「そーゆう瀬戸先生こそエッチじゃん?」
ボソリと耳元で囁かれてから、フーッと息を吐きかけられて、ゾクッとしたあたしは、反射的に耳に手を当ててガードする。
「ほらな?」
満足そうに目を細めながら、今度はあたしの顎を指先でくいっと持ち上げ下唇を親指でなぞった。
「続きは後でな。今日、行くから。」
「えっ?」
「なんか予定あった?」
「……ないよ。」
「じゃあ、決まり。」
ふっと笑って、卓人はあたしの唇から指を離した。
指が離れたかと思うと
おでこにチュッとキスを落とされる。
「ちょっ…、誰かに見られたらどうするのよぉ。」
「誰も見てないよ、だいじょーぶ。」
ニッコリと微笑んで、卓人はあたしから離れ、保健室の出入り口へと歩き出す。
「連絡するから。」
そう言って、手をヒラヒラと振りながらガラッと戸を開けて出て行ってしまった。
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