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「皐月、今日のメシ何？」
「……生姜焼き」
宣言通りにウチへやってきた卓人が、匂いを嗅ぎながらキッチンへ回り込んでくる。
そして、ジュワーッと音を立てながらお肉が焼かれていくのを眺めていたあたしのすぐ隣へ立った。
「やった、俺の好物！」
そう言って嬉しそうに目を細める。
卓人の奥さんはどうやら忙しい人みたいで、一緒にご飯を食べることも少ないとか。
料理もほとんどしないらしい。
だからか、あたしがごはんを作ってあげるとすごくいつも喜んでくれる。
「もうちょっとで出来るから、待ってて？」
隣に立っていられるとなんとなく気になっちゃうので視線でソファに促したつもりだったんだけど。
そんなあたしの思惑は見事にスルーされ、卓人は逆にあたしの後ろに立ち、腕を腰に巻きつける。
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